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過払い金が戻ってこないケース
1 借金があれば過払い金が必ず発生するというわけではない
貸金業者に対して、法律の上限以上の利息を支払っていた場合の、払い過ぎた利息のことを、一般に過払い金と言います。
つまり、過払い金の請求をするためには、あくまで利息を払い過ぎているという条件が必要ですので、借金があって、その返済をしていたとしても、必ず過払い金が発生するとは限りません。
そこで、過払い金が発生していないケースについて、ご説明します。
2 住宅ローンや自動車ローン
住宅ローンや自動車ローンは、消費者金融などの利息と比較すると、利息がかなり低いことが多く、大部分が10%以下の利息になっています。
そのため、住宅ローンや自動車ローンの返済において、法律上の上限を超えた利息を支払っていることは、あまりないと言っていいでしょう。
3 銀行からの借入
銀行からの借入も、過払い金が発生しないことが多いと言われています。
銀行は、法律の範囲内で貸し付けを行っていることが多く、利息の払い過ぎという事態が生じる可能性は少ないでしょう。
4 2010年以降の借入
2010年以降は、法律の改正によって、過払い金が発生するような利息での貸し付けができなくなっています。
そのため、2010年以降の借入については、過払い金が発生していない可能性が高いでしょう。
他方で、2010年以前の借入を、ずっと返済している場合だと、過払い金が発生する可能性があります。
5 完済から10年(または5年)以上経過している場合
過払い金の返還請求権は、いつまでも行使できる権利ではありません。
具体的には、10年の経過によって、過払い金の請求権は時効になってしまいます。
ここでいう10年とは、借金をした日ではなく、最後に返済をした日を基準に計算します。
そのため、完済から10年が経過していると、過払い金が発生していても、過払い金の請求は難しくなります。
また、令和2年の民法改正により、それ以降に完済をした借金については、完済から10年、または権利行使できることを知った時から5年で、過払い金の請求権が時効になってしまうようになりました。
時効は具体的な事情によって主張できるかどうかの判断が変わってくるため、ご自身ではもう請求できないと思うものでも、一度弁護士にご相談いただくことをおすすめします。
せっかく過払い金が発生しているにもかかわらず、時効によって請求できないのはもったいないので、完済している方は、早めにご相談ください。