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過払い金について和解をする相場
1 必ず満額が支払われるわけではない?
過払い金返還請求は、払い過ぎた利息を取り戻すための権利である以上、請求さえすれば、必ず満額支払われると思っている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、貸金業者に過払い金の請求をしても、「分かりました。すぐに満額支払います」と言ってくることは、極めて稀なケースだと言えるでしょう。
たとえば、過払い金の計算をしたところ、貸金業者に対し、500万円の請求ができる場合に、実際に貸金業者に500万円の請求をしても、貸金業者は、「もう少し減額してもらえませんか」、「せめて利息な免除してくれませんか」などと申し出てくることが多いでしょう。
「そんなことを言われて、納得する人がいるはずがない。絶対満額の請求をするはずだ」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、実務では、満額でなくとも、お互いが合意し、譲歩し合うようなことは少なくありません。
このような譲歩を、法律では和解と呼びます。
2 和解は何のために行うのか
和解は、お互いにメリットがある場合に成立するものです。
貸金業者にとっては、支払うお金が減ることがメリットです。
では、過払い金を請求する側にとっては、どんなメリットが考えられるでしょうか。
まず、過払い金を請求する方が、すぐにお金が必要というケースがあります。
たとえば、家族が入院したり、学校の入学金が必要になったり、事情は様々ですが、早くお金が必要という場合です。
他にも、「裁判なんて、そんな大事にはしたくない」「はやく終わらせたい」という方にとっては、減額を内容とする和解にもメリットがあると言えるでしょう。
3 過払い金について和解をする相場
過払い金で、和解をする際に、決まった基準というものはありません。
双方が合意してしまえば、その金額での和解が成立します。
たとえば、過払い金が500万円ある場合に、双方が納得しさえすれば499万円で和解しても問題ありませんし、10万円で和解してもいいということになります。
統計的なデータがあるわけではありませんが、過払い金の満額の数%~20%減くらいの間で、和解するケースも少なくありませんので、そのあたりが相場と言えるのかもしれません。